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高齢者の低栄養について

今回は、高齢者の低栄養についてお話します。

世界的に見て長寿国の日本ですが、平均寿命と健康寿命(健康上の問題がない状態で日常生活を送れる期間)には男性で9.13年、女性で12.68年の差があります。亡くなるまでの約10年間を健康に暮らすことができる高齢者は決して多くないのが現状なのです。
その原因のひとつに、低栄養が挙げられます。健康に生きるために必要なタンパク質とエネルギーが摂取できていない状態のことで、これにより体重減少、筋力や免疫力の低下につながります。現在60歳以上の日本人の約20%がこの低栄養であるといわれています。

高齢者の場合、身体機能だけでなく食事のとり方も変化していきます。噛む力の低下、口腔衛生状態の悪化、唾液や消化液の減少、味覚の低下による嗜好の変化などが原因です。この結果食欲が低下し、消化も悪くなり、一回の摂取量が減少し、栄養も偏りやすくなり低栄養が進んでしまうのです。
低栄養状態が進むと筋肉量が減少し、転倒のリスクが高まるなど最終的には要介護状態や寝たきりに陥ってしまいます。この悪循環を断ち切るために、低栄養が疑われる高齢者を早期に発見して重症化を防ぐ必要があります。

近年、世界的にも高齢化対策が課題になっており、日本歯科医師会でも2015年から本格的に介護予防のための取り組みを始めています。
歯科医療に関わる私たちが高齢者の患者さんにできる取り組みは、食事をおいしく、よく咬んで食べられるようにする治療や口腔ケアはもちろん、体形の変化、皮膚や爪の状態、歩く速さなど全身からのサインを見逃さないことです。私たちのクリニックでも、食欲が増えるような工夫や食べやすくする調理法などを積極的に患者さんにお話するようにしています。

最近体重が減った、食欲がないという高齢者の方は要注意です。周囲の気づきで低栄養を防いでいけたらいいですね。

 

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